創業60年以上という歴史を持ち、長きに渡って「新聞」「紙」に寄り添いつづけ、その歴史のなかで培ってきた製造技術、メンテナンスカ、日本全国のネットワークを駆使し、新聞丁合機、インサーター製造で他にはない唯一の存在価値を創出し続ける、株式会社プレッシオ。今回はいつの時代も未来を見据え、挑戦しつづける変革の陣頭指揮を執る代表取締役社長大谷貴志氏と営業本部中日本支店支店長井上知哉氏と企画管理本部部長市川彰氏とにお話を伺った。
――弊社のSales Force Assistantをご導入頂いた経緯を教えて頂けますか。
大谷:私が3年前に就任した際に、元々は弊社では紙の日報を使って営業管理をしていました。しかし、紙の日報では情報の流通のスピードも遅く、
実際の所、営業が何をやっているかリアルタイムで把握することができませんでした。また、業界内では1社で全国展開をしているのは弊社だけですが、名古屋でやっている営業戦略を東京では知らないといったことが多々ありました。せっかく1社で全国展開をしているのに拠点間での営業ナレッジ共有が活かせないもどかしさを感じていました。加えて弊社の製品は5年サイクルで入替があるのですが、紙の日報は5年前のものを探し出して活用するのは限界があります。さらに人の異動もあります。異動してしまうと5年前のことは拠点でわからないということがありました。これはお客様にとって非常に失礼なことです。そうした経緯から、SFAの検討を始めて、2年前に導入し運用を開始しました。
――SFAは他社にもありますが、なぜ弊社を選んでいただいたのでしょうか。
大谷:取引のある大塚商会さんから色々と紹介を頂きました。その中で、自社の規模感に合っていると感じたことと、5年毎に販売のサイクルがある自社の商材の営業スタイルに合っていると感じたこと、コスト感も良かったです。更に、先日も御社の営業研修を受講しましたが、システムに加えてプラスアルファの部分を期待したことも理由の一つです。システムだけ、教育研修だけという会社が多いのですが一体でできるという点が良いと思います。
――ありがとうございます。そうしたイメージで導入をいただいたのですが、導入いただいてどのような変化がありましたか。
大内:劇的に変化がありましたね。まずは営業会議のやり方が変わりました。SFAのデータを見ながら、会議を行っているのですが、本人の認識のギャップに本人が気づくことができるようになりました。営業担当者は自分では効率的、計画的な動きをしていると思っているのですが、SFAのデータで見てみると必ずしもそうはなっていません。自分の動きを客観視することで変化が生まれてきています。
――営業の現場では、いかがでしょうか。
井上:紙の日報の頃は、営業所毎に日報のフォームもバラバラで内容も統一されていませんでした。お客様との間で何か問題があった時にも、情報を探すのに10分、20分かかることもあり、非常に手間がかかりました。探したい情報が見つからずに感覚的に対応することもありました。しかし、SFAを導入したことで「この間どうだったっけ?」といった時の顧客対
応は明らかに、早く的確になりました。
――他の支店の日報を見ることはありますか。
井上:見ますね。特に新製品の受注登録がある場合には、そこから遡って履歴を見たりコメントを入れたりしています。受注事例の横展開の時には、プラスの効果を発揮していると思います。
――他には変化はありますか。
大谷:例えば案件進捗の確認の仕方も変わりました。重点案件については、私も確認をするのですが、担当者が「やっています」と言っていてもSFAには何の登録も無く1か月2か月経っていたり、ということもわかるようになりました。本人を問い詰めるという訳ではなく、一緒にSFAを見ることで案件への対応状況を客観視できるようになり、対策が具体的に打てるようになったことは大きな変化です。
――顧客や新規先のターゲッティングでは利用していますか。今期は新製品もリリースしておられるようですが。
大谷:新製品のTZS-MRI (「インサーター機能搭載」複合丁合機)を展開する上で、ターゲッティングは重要です。今の時代、どこに提案しても売れるということはありませんから。加えて、この新製品は業界初ということもあり、市場での認知度を高めて市場を創っていくという動きが必要です。提案した際の市場の反応はSFAを通じて分かりますので常に気にしています。
――大谷社長のおっしゃる活動は先日ご受講頂いたストラテジックセールスの研修での取り組みですね。顧客の反応をダムのようにSFAに蓄積しているので、引出して活用することができるようになってきていますね。ストラテジックセールスでは、営業担当者の諜報活動も重要ですが、諜報活動ではSFAはどのように利用していますか。
大谷:今、その点は見直しをしています。最初は諜報活動の結果を文章で書くようにしていました。しかし、ターゲッティングのレベルを上げるためには、キーワード化して選択しやすくする必要があります。改善していきたいと思っています。
――新聞業界は市場縮小して厳しい状況と思いますが、いかがですか。
大谷:ご存知の通り、新聞業界の市場は縮小しているのは確かです。しかし我が社の市場シェアを考えると、まだまだ開拓の余地があります。ストラテジックセールスのように営業のやり方、お客様との関係性を変えていくことでシェアの拡大は十分可能だと考えています。顧客との関係性強化に向けて、一部では営業とサービスの分業を取り入れていますが、分業体制を効果的に行うためにも情報共有の必要がありますので、今後も検討していきたいと思います。
――教育研修のお話も出ましたが、今までは取り組まれていなかったのでしょうか。
大谷:メンテナンスが必要な機械という製品の特徴もあって、従前は定期的に顔を出していたら買い替えをしていただくことができました。しかし今は違います。市場環境が厳しくなる中で、機械は壊れるまで使おうという風に経営者のマインドが変わっています。そうした状況に対応するためには営業、提案の方法を変えないといけません。そのために自社でも教育を行うようにしていますし、御社にもお願いしました。御社の研修は受講者にアンケートをしましたが、前向きな評価でした。
――それはありがとうございます。最後に、弊社に対して今後のご要望がありましたらお聞かせください。
市川:私はSFAのデータを基に分析をしたり資料を作成したりしていますが、使い勝手が良いと思っています。前職でもSFAを利用していたのですが、その際はあまりうまくいかずに、SFA自体に抵抗感がありました。しかし今のSFAはデータをいろいろな形で加工ができ、使いやすいです。いろいろな問合せもヘルプデスクで詳しく教えてもらえて助かっています。
――日報入力率が100%に近い御社ですと、データの二次利用もしやすいですね。他にはいかがですか。
井上:私は販売管理システムと連携ができると良いと思います。顧客情報はそれぞれにあって、それぞれでメンテナンスが必要ですし、売上や利益の情報は販売管理にしかないものもあるので、こうした情報がSFAでも見ることができると便利になると思います。SFAの機能面では、営業担当者のレベルが上がることで段々と分かることが増えてきました。今後、要望が出てくると思います。
大谷:弊社の製品サイクルは5年ですので、SFAを今後も利用することで5年後に真価を発揮すると考えています。ストラテジックセールスを実践しながら、SFAを活かしていきたいと思います。
――きっとお役に立てると思います。本日はどうもありがとうございました。