導入・成功事例

野村興産株式会社様



水銀製錬に関する技術基盤をもとに、水銀含有廃棄物をはじめとした様々な廃棄物の処理・処分を行っている日本唯一の水銀リサ イクル処理企業の野村興産株式会社様。SFAの導入から活用を中心に専務取締役 市橋 豊氏、営業部 部長 神田 浩治氏、営業 部 グループ長 入佐 亜紀子氏にお話を伺った。

――弊社のSFAを導入頂いたのは2008年ですが、どのような経 緯でご導入に至ったのでしょうか。



市橋:元々は基幹システムの入替を検討していました。その検討の中で、営業のシステムにも話が及んだのが発端です。当時は営業報告として営業週報を行っていました。週報は月曜日の朝に共有できるように、週末に営業部内の報告を取りまとめていました。この週報は全社に共有をしており皆が見ることができたのですが、システム入替の検討の中で、新しい取り組みをしたいということで、御社のパートナー企業から御社の紹介を受けたのがきっかけです。 私は当時、営業部門に管理職として異動した直後の頃でした。正直な所、いきなり営業部を見ることになったので、どうしたものかと思っていた頃に、このシステムが導入されました。報告が日次で全国から上がってくるようになり、東京、大阪、北海道の営業が一目で分かるようになったので助かったというのを覚えています。



入佐:私は導入検討の担当者でした。実は、導入した直後はかなり 大変でした。SFAを導入した半年後に営業部門で行った会議 の記録があるので、振り返ってみましたが、営業部内では不満 の声が凄かったです。「営業の効率化ではなく、営業の足を 引っ張っている」とか(笑)。当時は週報と、出張報告位しか報 告の習慣が無かったので、負荷が増えた感覚があったのだと 思います。



市橋:営業の管理職の立場では日報に対するコメントも負担だったと記憶しています。SFA導入研修でコメントが重要という話を聞いてしまったので、上司たるもの、日報にコメントを登録しないといけない、という強迫観念があったのか、苦労をしていまし た。最初はコメントをしたくない管理職ばかりだったので(笑)。

――当初は大変だったのですね。そうした中で10年以上もご利用 頂いていますが、なぜ定着したのでしょうか。



神田:一つは慣れだと思います。登録していると、情報は蓄積されて、 部下に聞かなくても状況は分かるようになったので。段々と皆が便利さを実感してきたのだと思います。



市橋:転機となったのは、一般廃棄物(以下、一廃)の入札管理をSFAで行うようになったことです。当社では、水銀を含む電池・ 蛍光灯を一廃として、全国の自治体から回収を行い、最終処理、水銀の再資源化までを行うことができる全国で唯一の会社です。しかしその分、営業エリアも広く、日本全国をカバーしています。
全国の自治体を対象に案件管理をすると、年間で千件を超えるのと、顧客毎で契約の時期が微妙にずれたりするので、それまでは追いかけるのが大変でした。この入札の発生から進捗、 結果管理をSFAで行うようにしました。SFAで行うようになってからは進捗管理、結果管理を日報で行うことで、一目で状況が分かるようになりました。



入佐:年初に予算を立てて、進捗を見るのですが、SFAの案件管理を行うことで、なぜズレが出ているのかがすぐ分かるようになったのは大きな変化です。社長が同席する会議で数字を聞かれても、安心して答えられ るようになりました。



市橋:また、毎年、同様な方法で管理をしていると、過去の数年分の受注・失注の結果を踏まえて、対応をすることができるようになりました。 競合企業に勝った、負けたという情報も残っているので、過去の経緯によっては、わざと競合に負けるということもできるようになります。他のお客様で取り返せる目途が立っているので、できることです。過去の状況を踏まえて予算も立てるようにな り、予算の精度も上がりました。このような取り組みを踏まえて、 現在の受注と一廃の受入れ量が増えてきています。

――失注情報も次の受注に活かす!まさに、弊社でお伝えしている 営業手法のストラテジック・セールスですね。



市橋:一方で、民間事業者から排出される産業廃棄物(以下、産廃)に関しては、営業はまだまだ改善の余地があると思っています。弊社が対象とする水銀含有物を含んだ廃棄物は、民間事業者からは一廃の電池や蛍光灯のように定期的に排出されることが少なく、都度のスポット対応が中心です。すると見積依頼を受けたものの、その後連絡がつかなくなったり、やっと連絡がついたら検討が中止になっていた、ということがあります。



入佐:しかし、この点もSFAで変わっています。問い合わせ先からの対応をSFAに登録しておくことで、同じ先から数年後に問い合わせを頂くことがあります。自分では忘れているのですが、SFAで顧客名を検索すると、当時の履歴が残っているということが多々あります。



市橋:また、産廃のお客様は時間が経つと、社内の事情が変わることがあります。例えば、水俣条約という水銀処理に関する規制が厳しくなると、以前は問い合わせだけだった先から、正式に回収の依頼が入るということもあります。こうしたやり取りもSFAには残っていますので、SFAがあるのと無いのでは大きな差になっています。

――なるほど、かなり長期にわたっての顧客対応が必要なのですね。ところで、最近グループ会社にも、新たにSFAを導入頂いたのですが、状況はいかがですか。



市橋:M&Aで弊社の競合企業がグループ会社となったのですが、導入して分かったことは、思った以上に顧客が重複していることでした。グループ会社ではまだ運用し始めたばかりですが、同じ環境でSFAを利用しているため、当社で蓄積した情報をグループ会社で見ることができるので、顧客対応にも役に立つと思っています。とはいえ、グループ会社の社員もSFAは始めたばかりなので、登録に時間もかかり苦労をしているようです。過去の自分たちを見ているようです(笑)。



入佐:グループ会社の運用を見ていると、自分達の入力内容も洗練されてきたと思います。以前は文章入力が少なかったり、改行もなく、やたらと長かったりということがあったが、最近は内容が標準化されて見やすくなっています。

――SFAと同様に見積共有管理もご利用を頂いておりますが、新しい見積のシステムであるSales Quote Assistant(以下、SQA)はお役に立てていますか。



入佐:見積書の件数も数万件となっていて、現在SQAに移行準備をしています。見積共有管理の時は登録したデータが作成し た順に上から表示されて、変化が見づらい部分がありましたが、SQAでは表示もだいぶ変わっているようなので期待をしています。



――SQAはポータル画面も新たに作って見やすくなっていると思います。他にも様々な見積共有管理から改善をしているので、是非ご利用下さい。ところでコロナウイルスの影響はいかがですか。




神田:お客様によってまちまちですが、以前より訪問して欲しいというのは減っていると思います。自治体のお客様は、以前は顔を出すこと、御用聞き的な動きが一番大事という所が多かったのですが、以前より言われなくなってきています。しかし、WEB会議で対応が完結するというのはまだまだですが。

――最後に今後の課題をお聞かせ下さい。



市橋:繰り返しにはなってしまうのですが、産廃分野をもっと伸ばしていきたいと思っています。一廃に比べると、見込客、案件化した後のフォローが難しく、徹底ができていないので、改善が必要だと思っています。

――先ほどのお話を踏まえて考えると、SQAを利用して見積先行管理をお勧めします。案件は登録したり、しなかったりとなりがちですが、見積はSQAで作成して、提出をします。提出した見積がどうなったかを定期的にフォローしていくと、変化が出てきますよ。



市橋:確かに見積は必ず提出しますからね。営業担当者は、初めは嫌がるかもしれませんが(笑)、試してみたいと思います。

――最後に弊社に対するご要望もお聞かせ頂けますか。



市橋:御社にはシステムだけでなく様々な研修も実施頂きましたが、 今後は更に戦略的な事業提携・業務提携などもと取り組んでいくつもりです。そうした相談もさせてもらいたいと思っています。



神田:私はSFAをもっと利用して、改善をして行きたいと思っていますので引き続き御指導をお願いします。



入佐:見積管理のデータ移行を行い、SQAを立ち上げます。コロナウイルスの影響で、在宅勤務を行っていたので、だいぶ準備が出来ました。あと一息ですので進めていきたいと思います。



――研修も受講いただいて御社の御事情もかなりつかめて来ましたので、継続してお力になりたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。

導入製品

業種 導入年月 導入製品
製造業 2008年4月

 ✔ Sales Force Assistant 深耕創造

 ✔ NI Collabo 360

 ✔ 顧客の声

 ✔ Sales Quote Assistant

 ✔ MapScorer


企業概要

野村興産株式会社
本     社 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町2丁目1番3号ヤマトインターナショナル日本橋ビル
創     業 昭和48年12月
代  表  者 代表取締役社長 藤原 悌
事 業 内 容 ●一般廃棄物並びに産業廃棄物の収集運搬、処分、並びにこれらの再資源化によるフェライト原料、硝子カレット、地金等の製造並びに販売●化学薬品の製造販売●水質、大気、ごみ質、土壌、騒音、振動等の計量証明業務及びダイオキシン類の分析測定にかかる特定計量証明業務●作業環境測定法に基づく測定業務●建築物飲料水、並びに水道水の水質検査●可燃性天然ガス測定及び温泉成分分析業務●建築業(土木、建築、塗装)の請負及び施工●給排気、ダクトの清掃及び保守点検●鉱物の採掘製錬及び販売●旅館業●損害保険代理店業務●不動産の所有、売買、賃貸借及び受託管理●公害防止に関する調査、計画、設計及び工事●種苗の育成及び販売●農作物の生産並びに加工・販売●倉庫業